採用者ブログ

応募者をどう選考するか

最適な人材を採用するのは雇用者の仕事、それを簡単にするのが私たちの仕事

最適な人材を採用するのは雇用者の仕事、それを簡単にするのが私たちの仕事です。サイトにいくらフィルターやスクリーニング機能を追加しても、採用担当者は沢山の履歴書を見なければならず、ものすごい時間がかかります。実際のところ、採用担当者(私たち)は忙しすぎて履歴書全部をくまなく見るのは無理で、またほとんどの履歴書はじっくり見るレベルに足りていません。

雇用者には、適した人材の応募を見落とさないようにしつつ、適さない応募者を除外できるようなプロセスが必要です。ここで自分の会社と他の企業の採用をお手伝いする時の方法を紹介します。これは、何がうまくいき、何がうまくいかないのかを長年試行錯誤してきた経験から得たものです。これは私がこれまで見てきた中で、応募書類選考で可能性のある人材を通過させる為の最も効果的な方法です。
ロケーションと言語能力のフィルターは、最低限の基準を満たしていない求職者からの応募をブロックしているはずです。

自分の経験から言うとカバーレターに興味を惹かれない限り、わざわざ履歴書を開く必要はないと思います。

  1. カバーレター – 名前も見ずに、私はまずカバーレターを見ます。 私が重要視しているのは、その人がいかにカバーレター作成に時間をかけたかです。ポイントは
    1. 求人タイトルと会社名の記載 応募者がちゃんと求人広告を読んで、その仕事に特に興味を持っているかどうか。
    2. その求人について具体的に記載されていること 応募者が毎回どの求人にも提出している同じカバーレターではない事を意味し、また、どんな仕事に興味を持っているのがわかります。
    3. スペル、文法、構文英語能力を示す以外にも、応募者がその求人にどれだけ関心を持っていて、ちゃんと関連した内容で、間違いがないか確認されているか。
    4. そのポジションにおいて、応募者が何が出来るか書かれているか? このポジションに必要なあなたが持っているスキル・能力について知りたい。経験を述べるだけでなく、その経験からこのポジションに役立つどんなスキルをそこから身につけたか、応募者がそのポジションをどのくらい求めているかがわかります。
    5. 応募者は会社のために何ができるか言及しているか、それとも自己中か? → そのポジションにフィットした人材が必要で、応募者の要求だけを読んでいる時間はありません。面接したい理由、志望動機が知りたいのです。それが休暇日数ではない事を期待するところです。

これらの基準が欠けていれば、私は履歴書を見ません。その応募者は素晴らしい経歴を持っているかもしれないしそのポジションをこなす事ができるかもしれないけれども、この基準によって、その応募者が怠け者で受け入れられないかどうかがすでにわかります。実際の例をいくつか挙げてみましょう。

求人タイトルと会社名について言及しているか
以下のカバーレターをご覧ください。 この応募者は英語の教育職に応募し、TESOL認定を受けてるので、スキルはあると思います。


最初の文に注目してください “あなたこのウェブサイトに掲載した求人広告”  最初の一文だけで、この応募者は同じテンプレートを使い、なぜそのポジションに興味を持ったのかも説明せずにに複数の求人サイトの複数のALTポジションに応募していたことがわかります。「you」を「ABCアカデミー」に、「this」を「JobsinJapan.com」に変更するのはそんなに大変なことですか? 応募者にはちゃんと私の会社名を書いて、私の会社を特別な存在にしてもらいたいのです。

私達はこれを「スプレーアンドプレイ (Spray and Pray) 」と言います。この応募者は、このポジションが欲しいのではなく、どの仕事でもいいのです。 私はこの応募者は採用したら大失敗、会社への忠誠心など無いと99%確信しています。

求人掲載の具体的な内容
もし上手く求人広告の説明が書けていれば(広告作成の秘訣はこちら)、その中の何かが求職者の心に響くはずです。 一般的なカバーレターのテンプレートを送ってきだけの応募者よりも、他の求人よりもそのポジションに是非付きたいという応募者を検討することは理にかなっていると思います。

私がよくゴミ箱フォルダにすぐ入れてしまうケースは、応募者が「私のスキルはこのポジションにぴったりです」(又は同じ意味の文)と書いた後、カバーレターの中でどのスキルがその求人に書かれている具体的な要件とマッチしているか、詳細を何も書いていない場合です。多分その応募者は履歴書内のどこが完璧にマッチしているかをそっちで見つけてくれ言っているのだと思います。もしその応募者が本当に具体的な要件と完全ににマッチしていたとしたら、そのスキルを強調していたでしょう。基本的には、この応募者は怠け者で、この「ぴったり」という言葉を使ってあやふやにしています。

スペル、文法、構文
もし応募者がより良い仕事(それはつまりより良い人生)を得るために、ミスのない履歴書を提出するよう努力しないなら、採用した後で会社のために良い仕事をする努力をしてくれると思いますか?私はそうは絶対思えません。

カバーレターを見れば、その応募者がマッチしているどうかがよくわかります。履歴書を他の人にチェックしてもらうのはよくあることです(最も重要な書類と同じように、校正者や第二の目を持つことは重要です)。でもほとんどの応募者はカバーレターにセカンドオピニオンを得ることはありません。カバーレターは応募者選別の手段となり得ます。

その応募者はそのポジションについたら何ができるかを書いてありますか?
実際にあったカバーレターのフレーズをお見せしましょう。(私はこのためにわざわざ偽物を作れるようなクリエイターではありません)。いくつかの例の後に、そのフレーズを読んで私が思う事を書いています。  

  • 日本語能力試験N2に合格したので、日本語で働く環境で働きたいです。 

おめでとうございます。しかしあなた個人の語学力向上や日本への興味だけではなく、 私は私の会社の仕事内容に興味を持ってくれる人材が必要です。私の会社が何をしている会社か知っていますか?どんな風に興味を持っていますか?

  • 英語指導で10年間の経験があります。 

これでは何もわからない! あなたの得意分野は何ですか?大人の生徒への授業が得意ですか?大人数のグループ授業が得意ですか?10年間で身につけたスキルの中で、このポジションに有利になるようなスキルは何ですか?

  • 日本に住んで15年、あらゆる種類のクラス、あらゆる生徒を教えてきました。 

前述と同じで、これでそのポジションにマッチしてると私を説得できるのでしょうか?

いや無理でしょう!それであらゆる種類のクラスを教えてきたと。。。どう上手く教えたの?どういう基準で評価しているの?また、私の会社に就こうとする情熱がこれでは見られません。まるでほかの会社に提出した履歴書に思えます。うちの会社にどんな利益をもたらしてくれるのでしょうか?

私の言いたいことは分かってもらえると思います。誰でも、興味深くやりがいのある仕事を良い環境で働きたいと思っています。 応募者は、そのポジションにどんなスキル(たとえそのスキルが優れた労働倫理やあなたの会社への興味であっても)を持ってくるのかをカバーレターで示すべきです。

その応募者は自分の会社のために何ができるかに言及しているか、それとも自己中心的? 

ここでまた実際の応募者のコメントと、それを読んだ私の感想になります。

  • ビジネススキルを伸ばせる仕事を探しています。 

私は自分の会社に利益をもたらしてくれる人材が必要です。確かにあなたはここで専門的に成長するでしょうが、では私には今どんなスキルを提供してくれますか?

もし私があなたに給料を払うなら、あなたへの投資分とそれ以上の回収を期待します。 また、自分の時間を使ってスキルを磨くことも必要です。 

  • ビザを提供してくれる教育の仕事に興味があります。 

私は、準備良く仕事をし、生徒を引き付け、 親身になってくれる先生が必要です。それがあなただったら、私はビザを与えるでしょう。 ところで、当校のどのようなところに魅力を感じて志望したのですか?

  • 私に合った仕事があったら連絡を頂けますか。

この人は本気で言っているのでしょうか?これよりひどい怠け者なんて存在する? 厄介なことに、こんな事がよくある事だという事に驚くでしょう。 これを読んだ途端、その応募はゴミ箱行きです。

  • 貴社での経験を活かして、さらにキャリアアップしたいと思っています。 

私の会社でプロとして成長して、他の会社に就職したいということですか? 

  • 対人スキルや専門的なスキルを伸ばし、コミュニケーション能力を高めながら、快適な雰囲気の中で仕事をしていきたいと思っています。 

なぜあなたのことばかりなのですか?私が必要としているものについては?私が誰かを雇おうとしている理由は、今のスタッフでは全てをこなせないからです。

あなただったらどうやって協力してくれますか?

おまけ

超長文カバーレター –  応募者の一生懸命な姿勢は評価しますが、超長文のカバーレターには少々苛立ちます。求職者は、応募書類(カバーレターと履歴書)の目的が、すぐそれで仕事を得る事ではないことを知っておくべきです。実際の目的は面接にたどり着く事であり、それによって仕事を得られるかもしれないという事です。

とにかく、その応募者はコミュニケーションが下手だということを証明してしまった。もしこの人を雇ったら、私の時間を無駄にすることになるのは目に見えています。

これで、履歴書を見て面接したい応募者だけに絞り込んだ、管理しやすい応募者リストができます。

次の記事では、バナナがどのようにして採用に成功したかについてお話します。そう、これは私の次の記事での難問です。きっと、果物が採用の成功とどう関係しているのか疑問に思っていることでしょう。それは読んだ後にわかり、そしてそれを実行したことを喜ぶことでしょう。なぜならそれは多数の応募をかき分ける手助けしてくれるからです。

最適な人材を採用するのに役立つヒントやテクニックをお持ちでしたら、是非その経験を共有させてください(秘密厳守OK)。または、ご不明な点がありましたらお知らせください。 

Peter Lackner is the Managing Partner at JobsinJapan.com and has had management-level positions at major job boards in Japan including: CareerCross.com, GaijinPot, CareerEngine (formerly eCentral) and currently the managing partner at JobsinJapan.com.

Running a job board gives Peter the opportunity to speak with employers and job seekers every day and find out why some are successful and others are not. Speaking to both employers and job seekers has given Peter the ability to be able to see both sides of the hiring process. This is why JobsinJapan exists - to help job seekers find the jobs they want and employers to find the candidates they need. 

Peter is active in the ETJ (English Teachers in Japan organization), a member of JALT’s School Owners SIG and currently on the Board of Directors of the Tokyo Association of International Preschools.

You can often find Peter speaking to groups on how to get a new or better job, and to employers on how to avoid making a bad hire.

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